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『一寸先は沼』第四回:夏の終わりのハーモニー

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第四回:夏の終わりのハーモニー

去年の夏に頂き物のつがいのカブトムシを飼っていた。

幸い子宝に恵まれ、卵から幼虫へとすくすくと育ち、その幼虫は2cmくらいの大きさまでに成長した。

それと平行してキャンプ場で朽木の下から見つけたクワガタの幼虫も別のケースにで大事に育てていたのはずなのだが、どうもこの辺から記憶が怪しい。

確か、最後に姿を見たのは静かに佇む海の家が物悲しく見え、少しセンチな気持ちになる8月の終わり。

半年振りに覗いた飼育ケースの中は、もはや幼虫を飼っているのか、小バエを飼っているのか分からない程、所狭しと小バエが飛び回っていた。

生きているかどうかも定かではないが、このまま小バエを飼育する訳にも行かず。

かといって家でフタを開けると一家離散の危機が訪れる事は想像に難くない為、家族三人で一縷の望みを託して近所にある無料の海田キャンプ場で生存確認してみる事になった。

1月の寒空の中、こんなへんぴな場所にあり、仮設トイレしかない林間キャンプ場は人もまばらだろう。と思い、一本道を進んで駐車場に入ると、なんとほぼ満車。

かろうじて駐車場に止める事が出来たのだが、城みちるでも来ているのではなかろうかという賑わいぶりである。

とりあえずタープを張り道中買ったカップラーメンをズルズル啜った後に、適当な木の下で飼育ケースをぶちまけるとカブトムシ一匹、クワガタ一匹の幼虫が生き残っていた。

幼虫を傷つけないように恐る恐るほじくりながら、ホームセンターで買って来た幼虫用の土に入れ替えて滞在時間は2時間弱。

それだけの為にタープを張ってしまうのは時間の無駄に思われる方もいるだろうが、ご存知の通り私は女性がベンチに座る際はハンカチーフを尻の下に敷き、車を降りる際はドアを開けてそっと手を取りエスコートする女性に優しい陽気なイタリア人気質である。

キャンプ場にとってのそれはエチケットであり、マナーであり、エスコート。

無駄だと分かっていても、キャンプ場ではテントかタープどちらかを張らなければ、キャンプ場に対して失礼なのである。

まるでワルツを踊っているのかと見間違う程のスマートな立ち振る舞いで、幼虫の生存確認と土の入れ替えも無事に終わり、さなぎを迎え入れる準備が整った所でささっと片付けを済ませて帰路に着いた。

その晩、今年のふ化に向けてウキウキしながらAmazonで一回り大きな飼育ケースを探していた筈が、どこでどう間違えたのか、気が付けばケースはケースでもペグケースがカートに入っていた事だけを除けば今日という日は大成功である。

以上、えびかにでした。

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