第五回:GWのキャンプ場予約争奪戦
私は今、絶望に打ちひしがれている。
しゃがんだ瞬間に、五年間履き倒したお気に入りのパンツの尻の部分が裂けたからでもなく、朝起きた時、子供に枕からキノコの匂いがすると言われたからでもない。
毎日4歳の少年からの無邪気で悪意のない口撃でウインドウが真っ赤になる程のダメージを受けている私にとって、そんなものはかすり傷である。
明日も見えない絶望の原因はGWのキャンプ場予約開始日を失念していた事だ。
今回気が付いたのはこちらの記事のお陰だが、この時点で既にあとのカーニバルである。
キャンプ場の予約は何ヵ月前にしてるの? – ワンコと楽しむ、気ままなキャンプ旅
GWに行きたかったキャンプ場第一候補の予約開始は去る2月1日。
今すぐにでも机の引き出しに飛び込んで1月31日の夜に戻り、テレビを観ながらバカ笑いしている自分の胸ぐらを掴みたい所だが、そういえば我が家にそんな形の机はなかった事を思い出し、ならばと洗濯機に飛び込む寸前に、間一髪の所で我が家は縦型洗濯機だったのを思い出して踏みとどまったのがつい先日の事。
去年はさほど苦労した覚えがなかったのだが、気が付かない内にGWのキャンプ場争奪戦は熾烈な戦いを繰り広げるようになっていたのである。
場所を選ばなければある程度空きはあるのだが、私が目指すのは松田聖子ディナーショーのプラチナチケットより入手困難とされるGWの高規格キャンプ場への宿泊権利。
生半可な気持ちでは神田正輝も許してはくれないだろう。
失意のどん底の中、ネットの海を彷徨っていると、第一候補のキャンプ場は今回取れなかったが、第二候補のキャンプ場は3月1日からの予約開始であったのがせめてもの救い。
万が一争奪戦に敗れた場合は、諦めて和田アキ子ディナーショーあたりで手を打とうと思う。
しかし、キャンプ場の予約よりも、和田アキ子ディナーショーの予約よりも、今すぐ私がしなければいけない事はただ一つ。
オーガニックコットンのメンズトランクスを手に入れて、駅前にあるヘッドスパに駆け込み、父親の威厳と人としての尊厳を取り戻す事である。
以上、えびかにでした。
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