第十三回:梅雨
梅雨である。
老舗の蕎麦屋のツユならば、そば湯で割ってゴクリと飲み干す所だが、キャンプを嗜む者にとっては最大の試練であり最大の難関の季節、梅雨である。
幸いな事に私はキャンプの時、雨に降られてびちゃびちゃのテントを涙目になりながら車に押し込むという様な目に会った事はない。
まあ、そもそも最終日が雨の予報の時には行かない事が多いという事もあるのだが。
そんな梅雨の真っただ中、私の住む街は緊急事態宣言が解除されてひと月が経とうとしており、あちこちでキャンプレポの記事を見る様になって来た折に、ヨメとの会話の中でそろそろファミリーキャンプも良いのではなかろうかという話になった。
しかし、天気予報を見れば平日のみでは飽き足らず、土日までビッシリ傘マークで埋まっている始末で、『何が何でも降ってやるぞ!』という神の強い意志が感じられる。
そっちがその気ならこちらにも考えがある。
数ある天気予報サイトの中で一番降水確率の低い天気予報を探し、それを心の支えに今週を生きて行こう。
そんなキャンパーなら誰しも一度は閃く浅はかな愚策を試みるも、どこを見渡しても軒並み80%超え。
そんな時は抗わず、家でゆっくり過ごすのが吉なのだが、運の悪い事にこのタイミングで給付金がわが家に届いたのは神様のお戯れだろうか。
そっと目を閉じれば、瞼の裏に映るのは、週末に給付金を握り締めてアウトドアショップへ走る中年男性の姿。
顔は良く見えなかったが、それが誰なのかは預言者ではない私にもすぐに分かった。
それでは皆さん良い週末を。
以上、えびかにでした。
コメント
自分でも不思議なのですが、タイトル「梅雨」をみただけで、ツボにハマッて笑ってしまいました・・
すいません、ちょと何言ってるかわからないですが、ありがとうございますw