【小板まきばの里】ソロキャンプで出会った奇妙な隣人
こんにちは、えびかにです。
日ごとに寒さがつのり、冬の足音が聞こえ始めた12月某日。
この日はヨメの友達が家に遊びに来るという事で、ソロキャンプへしぶしぶ行かなければならなくなった。
別に行っても行かなくても良いのだが、友達がくるのなら仕方がない。
そこで以前から気になっていた今年オープンしたばかりの小板まきばの里というキャンプ場を予約する事に。
ここはオーナーさん手作りのキャンプ場でサイト数は少ないが、アットホームな雰囲気で静かなキャンプ場である。
予約時にサイトを指定出来るのだが、どこにするか悩んだ末に行った事のある知り合いにどこが良いか相談の上、景色の良さそうなどんぐりサイトの2番を予約した。
施設紹介はこちら
キャンプ場へ到着
キャンプ場へ到着すると、男性と女性の優しそうなスタッフがお出迎え。
そのままサイトへ行って設営を始めて下さいとの事で、どんぐりサイト2番へ車を停めると一番乗りであった。
ここは標高700mの場所にある為、荷物を外に出しておくと凍りそうだったので、今回は幕内に荷物が置けるキノコテントをチョイス。
とみ子(トヨトミレインボー)と電気毛布で引きこもる予定だ。
設営も終わり一段落した所で、道中に戸河内IC前で購入した弁当をビールで流し込む。
散策
室内でビールを飲んでいるだけでは普段のダメな休日と変わらないので、生憎の曇り模様で少し肌寒いが付近を散策に行く事にした。
この辺りは牧場や田舎道、神社など散歩するにはもってこいの場所で、ゆっくりとした時間が流れている。
小一時間程の散策により失ってしまったカロリーを取り戻す為に場所と品を変え、少し早いが焚火に火を着けた。
静かな山奥で、ファミリーキャンプでは味わえない一人だけの時間を満喫。
燻製を作ろうと仕込んできた牡蠣の剥き身を60個程持ってきていたので、いつもの自家製段ボールで2回に分けてじっくりと燻し始めた。
温度計の針が上がるのを見ながら、隙間から出てくる煙のヒッコリーの香りが心地よい。
不気味な隣人
そんな贅沢な時間を堪能していると、隣の1番サイトに一台の車が入って来た。
どうやらソロキャンパーさんのようだ。
荷物を降ろし始めた隣人に軽く挨拶をして焚火の続きを楽しんでいると、設営を終えた隣人がしばらくして話しかけてきた。
ここは初めてですか?
はい、初めてです。
そうですよね。
(!?なんだかかみ合わない返事だな・・ああ、そうかちょっとかわいそうな人なんだな・・)
どの辺から来られたんですか?
〇〇からです。
そうですよね。
(気味が悪いな。シッシッ、早くあっちへ行け!)
キャンプのブログとか読まれますか?
はい、読みますね。
ボクも読むんですけど、えびかにさんとか面白いですよね?
!?私もえびかにっていうんですけど・・
そうですよね。
・・・・・・!?
ボク、ヤマキャンプです。
なんと!
薄気味悪いサイコパスだと思った隣人はブログ繋がりで仲良くさせて頂いている兄弟キャンプブロガーの弟さんであった。
今回このキャンプ場に来るにあたって、冒頭に書いたサイト状況などを聞いていたのが、yama@campさんだったのだ。
もちろんお互い初対面である。
私がいる事を知っていて、私が一人だという事を知っていて、あえて来るとは言わず、来ても知らないふりをして一人でほくそ笑み、一人だけ相手を知っているという状況を楽しむという高尚な趣味をお持ちの方のようだ。
実は私が星空に興味を持ったのはヤマさんの写真を見てからである。
それを見てからこの人に撮れるのなら、私にでも撮れそうだ。私も撮ってみたいと思う様になり、それ以来カメラの事で色々と一方的に相談に乗ってもらっていたのだ。
その文面から誠実さがにじみ出る兄、masa@campさん
奇想天外な文章を操る奇才の弟、yama@campさん
変な人ではなかった事にほっと胸をなでおろした私は、突然の出来事にヤマさんと二人で恥ずかしそうにモジモジしながら会話を続ける。
この感じは中学生の時に思わぬタイミングでいきなり好きな女の子と二人っきりになってしまった時の感じにも良く似ていた。
隣人との夕食
お互いに好意がある事を確認した上で、一緒に焚火を囲みながら夕食を食べる事になった。
ヤマさんはちょいちょいボケをぶっ込んでくる想像通りの方であったが、ヤマさん曰く、私は想像より落ち着いていたとの事であった。
普通にしていただけなのだが、やはりイメージを壊さない為にも、いきなりオクラホマミキサーでも踊った方が良かったのだろうかという後悔の念がおしよせる。
今日の夕食のメインはレモン鍋。
創味シャンタンの出汁に、ごま油と塩コショウにネギを混ぜて投入。
殻付きの牡蠣を二人で食べて、お酒を楽しみながら語り合っている内に、これははもうお付き合いが始まっていると言っても過言ではない様な気がしてきた。(気のせい)
星空撮影
キャンプやブログ、カメラの話をしながら夕食を楽しんでいたが、趣味が同じということもあり話は尽きない。
しかし、その永遠とも思える時間を遮ったのは、ふと見上げた空に広がった満天の星空だった。
それを見るや否やおでこにヘッドライトを付けた不審なおじさん二人は三脚を抱えて一目散に星空撮影に向かった。
外気温2℃の中、夢中でシャッターを切り続けるおじさん二人。
オシャレなうら若き女性が寒空の下で袖からちょこっと出した指先に息を吹きかけながら撮っているのならば絵にもなるが、防寒着にくるまったもっさりとした中年のおじさんが撮っているのとでは世間からの風当たりは違う。
星空撮影に必要なのは周りの人にどう見られようが折れない心なのだと気付かされた日でもあった。
撮影も一段落し、ヤマさんが早めにテントへと吸い込まれた後、やってみたかった軌道撮影にチャレンジ。
暫く撮影を続けていたのだが、中々思うように良い写真が撮れず、カメラの電池が切れたタイミングで、寝袋に潜り込んだ。
2日目
この日も曇り空からのスタートだったが、牧場の方へ散歩に行くと、運のいいことに ちょうど雲の切れ間から少しだけ朝日を拝む事が出来た。
テントに戻って作り始めた朝ご飯は、ウィンナーと目玉焼き、それと白飯を少々。(二合)
その横で朝から焼きそばを作ると張り切っていたもののフライパンを忘れたヤマさんは、すでにそばを焼いてなどいない。
気がつけば、ぐつぐつと煮えたぎる鍋の中で焼きそばの麺を茹でていた。(3玉)
ヤマさんは家庭の事情(多分大したことはない)で金曜日の夜にしかソロには行く事が出来ず、尚且つ9時には帰らないといけないという鉄の掟を破ってまで来てくれたようで、朝ごはんを食べた後は撤収作業に追われていた。
少し名残惜しいが、これは心構えではなく鉄の掟である。
それはヤマさんの鬼気迫る表情を見れば一目でわかった。
思いがけない訪問者により楽しかった一泊二日は、あっという間に終わりを告げ、帰り間際に記念撮影をした後、隣人は去っていった。
空を見上げると、時折降ってくる雪が冬の訪れを告げていた。
11時には撤収を終え、家に帰って暖かい部屋でゆっくりと過ごそうと思いながら家路についたのだが、帰ってすぐ少年に極寒の公園に引きずり出される事を、この時はまだ知る由もなかったのである。
以上、えびかにでした。
コメント
「うわ~!ところどころディスられてる!」と言ってたら、ヨメに「顔がニヤケてる」と言われた奇妙な隣人です。
あの日一緒に過ごしたのは、えびかにさん本人で間違いなかったんですね。
なかなかオクラホマミキサーを踊らないから、全くの他人だったのではないかと心配していました。
奇妙な隣人の誠実な兄です(笑)今思えば、奇妙な隣人からこの日は仕事なのかと連絡をもらいました。特に「なんで?」と理由も聞かず、「仕事」とだけ連絡。
こんな素敵なイベントがあったとは・・・。
えびかにファンクラブ会員No.1の私を差し置いて、私より先に「生えびかに」に会うなんて。
でも私は信じてます。いつかどこかのキャンプ場で偶然に「生えびかに」に出会えるキセキを!
この度は奇妙な弟がお世話になりました。
いいですねぇ神社と星の写真^^私も山で怪しい隣人と出会ってみたいです^^
>奇妙な隣人Y氏 怒られないかビクビクしながらも『まあいいや』と思って書いていました。
今度お会い出来たら是非ともオクラホマミキサーを一緒に踊りましょう!練習しておいて下さいね❗️(マイムマイムでも可。)
オクラホマミキサー練習しときます(笑)
頭を打った?一言も言ってませんでしたね。まあ頭打つくらいがちょうど良いでしょう(笑)元気そうなんで大丈夫だと思います。ご心配ありがとうございますm(_ _)m