『一寸先は沼』第三回:キャンプと相撲は同義語

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先日の事である。


朝から重い体を引きずりながら職場に着くや否や、別部署で働く定年間近のオジサンが満面の笑みを浮かべながらすごい勢いで目の前まで詰め寄って来て私に向かって話しかけて来た。


オジサン呼ばわりするのは少々失礼な気がするので、いつも脇の下が汗ばんでいる彼にわきのしたひろしというイカしたニックネームをつけてあげた。



『えびかにさん、よかったね~!!!』

『はぁ。。何の事でしょう?』

『もぉ~、とぼけちゃって。私知ってるんですよ、すぐにえびかにさんの事が頭に浮かんじゃって、朝からずっと待っていたんですよ』



朝からいきなり眼前10cmの距離で『よかったね』と言われても何の事やらサッパリであるし、ひろしも悪い人ではないのだが、距離感が分かっていない様で近すぎて少々鬱陶しい。





日々慎ましく生きている私でもちっぽけではあるがよい事は日々ある物で、心当たりがあるとすれば、先日自動販売機で前の人のお釣りが残っていた事か、はたまた行方不明になっていたペットボトルの蓋が車のシートの下から見つかった事か。



どこに私の個人情報が漏れたのか、恐る恐る聞いてみると、どうやら私のヨメの出身地である奈良県出身の力士『徳勝龍』が大正11年以来98年ぶりの優勝をした事であった。



そんなチリ程も興味がない事を朝から楽しみに待っていたひろしには悪いが、

『えっ!本当ですか!?』

と食いつくフリをすればそこから延々と相撲談義が始まるのは想像に難くなく、朝の忙しい時間に終わりの見えない暗闇の中で、サンドバック状態で相槌を打つだけの木偶と化してしまうのは御免だ。


かといって

『あ、相撲見ないんですよ。』

と軽くあしらってしまえばひろしの今日一番の話題を台無しにした上に、今後の関係を良好に保つのが難しくなってしまうかもしれない。



恐らく家でも奥さんに相手にされなかったひろしは誰かと話したくてウズウズしている所にひょっこり私が現れ、偶然私のヨメが奈良出身であるという事を思い出し、藁にもすがる思いで話しかけたのだろう。

なぜなら私はひろしに相撲が好きだと言った事もなければ、そもそもここ半年ぐらい会話をした記憶がない。


どう返事をしたら良い物かと悩みながら、ふと胸に手を当てて考えてみると、私にも思いたる節がある。



さほど仲良くない人と他愛もない世間話をしている時に


『そういえば、えびかにさんって休みの日は何しているんですか?』


等と振られた日にはチャンス到来であり、しめた物。ここぞとばかりにせきを切ったようにキャンプの話を熱く語る事がある。


その時私に返す言葉は『凄いッスね!』か『マジッスか!』の2つのマジックワードがあれば会話は成立する。




今思えばそういった時にキャンプに興味のない相手であれば、今の私のような気持ちになり、ヤキモキしていたのだろう。

今までは相手の優しさのお陰で私は気持ちよくキャンプ談議をさせて貰っていたのかもしれない。




となればここで私がひろしに答えるべき正解はただ一つ。


『マジッスか!』


今日は長い一日になりそうだ。
皆様もお気を付け下さい。

以上、えびかにでした。

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