朝目が覚めたのは6時過ぎだった。ヨメも少年も同じくらいに起きて外を見るとまだ日の出前だ。
とりあえずランタンに火を灯す。波打際に寄せる波の音が聞こえる中、シューっという心地よい音が鳴り響く。
薪も火を着けて暖をとり、朝ごはんの準備も進み、
朝日が昇って来た。とても綺麗で暫く浸っていると、それを引き裂く声が···
パパ!公園で遊ぼ!!!
う、うん。いいよ···いいけどキミまだ7時だぞ?
こんなに朝早くから公園で遊ぶ子供はこのキャンプ場にはいない。というか人っ子一人いない。
貸し切り状態だ。
そして朝7時からまたハンバーガーと言う名のデカい石を売り付けられた。こんなステキな商売を閃いたキミは天才だと思うよ。うん。
公園から戻ったら朝ごはんのパンとポタージュスープを飲んだ。
それだけでは物足りず、ドン引きするヨメの視線を浴びながら朝からスーパーカップをペロリ。当然少年も見逃す訳がなく1/4は取られた所を見るとやはり食い意地はどう見ても私の遺伝だ。弁解の余地なし。
朝ごはんを食べた後テントの撤収作業にかかったのだが、ここは防波堤が丁度良くテントを干せる仕様になっている。さらに今干している防波堤の向こうは木で出来たボードウォークがあり、砂が殆ど着かずに畳むことができる。
テント等を大体片づけた後、少年と松の落ち葉を拾って綱引きをした。これは接待が出来ず真剣勝負で盛り上がった!
そんな事をしていながらふと気づくと少年が何やら鼻が痛いと言い出した。
特に転んだりだとか何処かで打った様子もなかったはずだ。何もなく今まで楽しそうにしていたのだが、突然の事に慌てて鼻の中を覗いてみると・・・
キレイな貝殻だ!
わが子ながらアホすぎる・・・いつの間にか拾った貝殻をふざけて鼻に突っ込んだ様だ。大きくなったら磯野家のご長男の様になれる素質は十分備わっている。
しかし、これが困ったことに中々取れない。指でつまもうとしても少年の鼻の穴は私の小指より小さい為、つまもうとしてもどうやっても二本の指は入らない。割りばしでもつまめそうにない。
無理にやるとさらに奥に行く可能性がある上に貝殻の端は鋭利なので無理に動かすと鼻の中が切れてしまう。
最終的に片方の鼻を押さえて鼻水をかむようにしたら少しづつ出てきて、なんとかレスキュー成功。
その後、当然今やってしまった事を反省させなければならないのだが、「危ないけーもうやっちゃだめよ!」と言っても中々首を縦に振らない。
「もうしません。ごめんなさい。」のキーワードを少年の口から引き出したいのだが、甘やかしすぎているのでなかなか謝らない。
仕方なくそのキーワードを促そうとこちらから「ママに鼻の穴に貝殻を入れてごめんなさい。って言いなさい。」と言おうとしたのだが、ふと思ってしまった。
鼻の穴に貝殻を入れてごめんなさい。ってなんだ???
こんな謝り方した事もないし聞いた事もない。この怒られている空気の中でのこのセリフが可笑しすぎてまともに言えない。「ママに鼻の穴にかいが・・ぶはっっ!!」と笑いが堪えきれずにセリフが最後まで言えないw
結局ふがいない父親のせいできちんと謝ることが出来ずに無理矢理小さな声で
ごめんなさい・・
と言わすのが精一杯だった。
幸い鼻の中は傷つかず、少年は何事もなかったようにいつも通り自転車(ストライダー)に乗って遠くの方へすっ飛んで行ってしまった。
時刻もお昼前になったので乾いたテントを畳み、帰路に着いた。
ここのキャンプ場はヨメも私もロケーションに大変満足し、恐らく来年の夏くらいに浮輪を持ってリピート確定となりそうだ。
以上、梶が浜キャンプ場からのレポでした。
コメント
次の日もハンバーガーを売りつけられたという所で思わず笑ってしまいました!
更に鼻に貝殻って…!
>itsutsukiさん コメントありがとうございます。いやぁうちの少年は本当にアホな事ばっかりするんですよ。。将来が不安です(笑)